![]() ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲、ロマンス第1番&第2番 |
SACDレイヤー 角の丸いプラケースにブックレット。ブックレットにはJoachim Kaiserとムターとの対談(英独仏語)。ムターとクルト・マズアのカラー写真が、そこそこにレイアウト。 収録曲 |
ムター、2度目のベートーヴェン アンネ=ゾフィー・ムターの23年ぶり、2度目のベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲です(1度目は1979年で、16歳)。 カラヤンの秘蔵っ子から、年齢を重ねた演奏家へ 第一楽章は遅めのテンポですので、この楽章に“定番的ベートーヴェンの雄大さ”を求める耳には、最初、エンジン・ブレーキをかけている演奏のように感じました。 第二楽章は最たるもので、カデンツァでのヴァイオリンの再弱音は、途切れる寸前の糸のよう。その音色の「かすれ具合」「枯れてる感じ」がいい。 第三楽章もむやみに白熱せず、でも超絶技巧はきっちり。年齢を重ねた演奏家ならではの表現力を感じました。 SACDの音ニューヨーク・フィルの音は、好意的に言えば各楽器が溶け込んだ音です。悪く言えば、やや、つぶだちの鈍い音。マルチチャンネルよりは2chステレオのほうが、立ち上がりはいいようにも思えます。オケの再生音はオーディオ装置の能力に異存するかもしれません。 一方、ムターのヴァイオリンは程よい距離感で、圧迫感がなく聴けて美しいです。 マルチチャンネルは、透明な三次元空間をつくるというよりも、2chステレオをさらに広げた感じ。ヴァイオリンは2chより距離感がでますが、それでも細部まで、きっちり耳に届く解像度でした。 個人的には、マルチチャンネルよりも2chステレオで聴いたほうが、聴き心地は良かったです。2chステレオのほうが音に重心が出るので、ベートーヴェン的な力強さを伝えてくれると思いました。 アンネ=ソフィー・ムターのSACD
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