
DU PRE
SCHUMAN&SAINT-SAËNS:
CELLO CONCERTO

録音 1968年5月と9月、アビイロード・スタジオ
国内盤、EMI Japan
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普通のプラケースにブックレット。
ブックレットにはアビイロード・スタジオのサイモン・ギブソンのライナー。
松沢 憲氏による、ライナー「無邪気な精神の羽ばたき〜デュ・プレのシューマンとサン=サーンス」と曲解説。
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デュ・プレ、68年録音のシューマンとサン=サーンス
ジャクリーヌ・デュ・プレは16歳でデビュー、のちに録音したエルガーのチェロ協奏曲は話題になりました。しかし、活躍した年月は短く、1973年に難病で引退、1987年にロンドンで生涯を閉じました。
デュ・プレのファンはいまだに多く、残された録音は、LP、CDへと聴かれ続けられています。今回、EMIからそんなデュ・プレの録音が、SACDハイブリッドで発売になりました。
本作はジャクリーヌ・デュ・プレが1968年に録音した、シューマンのチェロ協奏曲イ短調作品129と、サン=サーンスのチェロ協奏曲第1番イ短調作品33です。
指揮は、この演奏を録音する少し前に、デュプレと結婚したダニエル・バレンボイム。オケはニュー・フィルハーモニア管弦楽団です。
チェロ、チェロ、チェロのSACD
シューマンの協奏曲は全編でチェロがうねり、歌う曲です。
チェロの協奏曲として同じくらい有名な、ドヴォルザークのチェロ協奏曲がありますが、そちらはオーケストラのみでも(交響曲のように)聴かせる箇所が多いのにたいして、シューマンのチェロ協奏曲は、チェロがメイン。
デュ・プレのチェロは、そんな作風の幅を、一杯に歌い上げるように、弾きまくっています。
そんなわけで、このSACDは、チェロ、チェロ、チェロであります。
スピーカーからは、目の前で鳴っているかのように、チェロの音が豊かに大きく出てきます。チェロの音はクリアというか、輪郭がしっかりとれた音。
オーケストラも68年録音の硬めの音なのですが、よく聴き通せば、SACDの鳴り方が柔らかいので、「ふくよかな音」のように感じてしまいました。
つづくサン=サーンスのチェロ協奏曲も、シューマンと同じくらい、チェロをフューチャーした曲。
こちらでもあいかわらず、デュ・プレは歌い上げます。シューマンとちがって、オーケストラだけの箇所がわりとあり、そこでは心地よいアナログ・サウンドを感じました。
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EMI ジャクリーヌ・デュ・プレのSACD
 2012.1.29
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