![]() モーツァルト:ピアノ協奏曲第20番、きらきら星変奏曲、ソナタ第9番 |
国内盤、エイベックス 収録曲と録音 普通のプラケースにブックレット。ブックレットには、山野雄大氏のライナーと曲解説。 |
フォルテピアノを思わせる奏法が、モーツァルトを際立たせる 本作は『モーツァルト・アルバム』(レビュー)に続く、菊池洋子の第2作アルバムです。 まず第20番。オーケストラ・アンサンブル金沢の、ウィーンのオーケストラと比べても全然遜色ない、コクのある音があらわれます。 菊池洋子の演奏は、コロコロと音を転がす、“いかにもロココ風モーツァルト”とはちがいます。 独奏曲がメインでもいい、「きらきら星変奏曲」と第9番菊池洋子のモーツァルトが、より素晴らしいと思ったのは、独奏曲の「きらきら星変奏曲」とピアノ・ソナタ第9番でした。 ぶっきらぼうのように始まる「きらきら星」のテーマがいい。 ピアノ・ソナタ第9番も素晴らしかったです。哀しみから始まり、いろいろな世界に、聴く者を引き入れるこの曲が、思い切り堪能できました。昨今のモーツァルトのピアノ・ソナタで、こんなに耳を離さない演奏も珍しいです。 音の甘みを出すサラウンドSACD2chの音は、“シャワーのような飛び出し”のいい音。協奏曲ではオーケストラが心地よく響きます。木管の音がよく聞えます。 マルチチャンネルでは、“シャワーのような飛び出し”から“場”に変わります。協奏曲はライヴ録音ですが、ホール感は薄め。そのかわり前方に張り出してくるような音場が現れます(うすーい残響音はあり)。音に立体感が加わり、ピアノとオーケストラの音のニュアンスの差も感じます。 「きらきら星変奏曲」とピアノ・ソナタ第9番。マルチチャンネルでは、ピアノ音のエッジに丸みが加わり、音色に甘みがでます。
菊池洋子のSACDレビューとCD紹介
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