

録音、「アランフェス協奏曲」「ギターと小管弦楽のための協奏曲」が1974年。「ある貴神のための幻想曲」が1967年。
国内盤、ソニー・ミュージック
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普通のプラケースにブックレット。LPのオリジナルライナーノートの日本語訳。
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「アランフェス協奏曲」を名手のギターで
ギターはクラシックではなじみが薄い楽器ですが、一度魅力にとりつかれるとハマります。本作はギターの名手、“キング・オブ・ギター”と呼ばれるジョン・ウィリアムスによるギター協奏曲のアルバムです。
「アランフェス協奏曲」はロドリーゴの代表作。ギターの名曲としてクラシックでは定番となっています。第2楽章の有名な哀愁のあるメロディーも魅力ですが、第1楽章、第3楽章のキャッチーなメロディも聴きどころです。
クラシックでありながら、クラシックにはない軽やかさ。
クラシックの本道ではないギターの曲でありながら、堂々としたクラシックの協奏曲。「アランフェス協奏曲」はこの2面性を持つ、清涼剤のような曲だと思います。
ヴィラ=ロボスの「ギターと小管弦楽のための協奏曲」もいいと思いました。この作曲家の管弦楽の鳴り方は、どこかヨーロッパと離れた“におい”があります。
この2曲がバレンボエム指揮イギリス室内管弦楽団のバック。
最後の収録曲が再びロドリーゴの「ある貴神のための幻想曲」。こちらのバックは、サー・チャールズ・グローヴス指揮イギリス室内管弦楽団。オリジナル・レコードは、「アランフェス協奏曲」とは別でしたが、SACD化にあたりカップリングされました。
円を描いて取り囲むマルチチャンネル
マルチチャンネルは中央のギターを囲むように、大きく円を描いてオーケストラが広がります。劇場の臨場感を出すマルチではなく、リスナーを取り囲むようなサラウンド。
どうやらこのマルチチャンネルは、当時4チャンネルレコードとして発売された音源であるようです。
でも、これも悪くないなと思いました。曲に合っている気がします。「アランフェス協奏曲」やロボスの曲には厳格なヨーロッパのクラシックの音場にこだわらなくてもいいような気がしました。
もちろんジョン・ウィリアムスのギターの音はSACDらしく、ふくよかですので文句なし。
なお最後の「ある貴神のための幻想曲」は録音が違いますので、残響を加えたオーソドックスなマルチチャンネルになっています。
本作はSACD専用ディスクです。
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小澤征爾のブルーレイ
 2009.11.17
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