

録音:〈四季〉1977年
2つのヴァイオリン1959年
国内盤、ソニーミュージック
Amazon
SACD初期のソニーの正方形デジパック仕様。
ブックレットには1978年発売の〈四季〉オリジナルアルバムのライナー。1961年発売の「二つのヴァイオリンのための協奏曲集」オリジナル・アルバムのデイヴィッド・ジョンソンの解説訳。
|
巨匠アイザック・スターンの「四季」と、盟友オイストラフとの共演
本作はアイザック・スターンが指揮とソロを受け持ったヴィヴァルディ〈四季〉(エルサレム・ミュージック・センター室内管弦楽団)と、盟友ダヴィッド・オイストラフとの共演による「ヴィヴァルディ:2つのヴァイオリンのための協奏曲集」(ユージン・オーマンディ指揮フィラデルフィア管弦楽団)を収録したSACDです。それぞれオリジナルは別のLPですが、SACD専用ディスク1枚に収録。2ch Stereo。
〈四季〉は1977年の録音。SACDラボの世代では、このSACDのジャケットにも流用されているオリジナルLPのデザイン画が印象的でした。そんな想い出もあってこのSACDを買ったのでした。
録音時期としては70年代、イ・ムジチの〈四季〉の爆発的人気もようやく収まり、きたるオリジナル楽器による〈四季〉が登場する狭間の〈四季〉とも思えます。
個人的には、ひとりの偉大なヴァイオリニスト、アイザック・スターンのソロに耳を傾ける〈四季〉として聴いています。
SACDの音
77年録音の〈四季〉は、やや金属的な硬さは感じるものの、アナログ録音の太さは含んでいると思います。
よいSACDに感じられる「空気感」は、意外にも59年録音の「2つのヴァイオリンのための協奏曲集」のほうが、生じているのではないかと思いました。左右に配置された、スターンとオイストラフのヴァイオリンがビビッドです。
「2つのヴァイオリンのための協奏曲」は59年録音ながら、ヒスノイズもほとんどないし、〈四季〉よりは気持ち、音の線が細くなるものの、年代を考えると、いい再生音だと思います。
もともとはふたつのLPを、ひとつにおさめたSACD。バーンスタイン亡き後、アメリカ・クラシックの精神的支柱と慕われたアイザック・スターンの、ふたつの時期にまたがる演奏を楽しめます。
Amazon
アイザック・スターンのSACD
 2011.4.10
|
|