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ジュリアーノ・カルミニョーラ(ヴァイオリン)マルコン指揮ヴェニス・バロック・オーケストラ
《ヴェネツィア協奏曲集》ヴィヴァルディ、ロカテッリ、タルティーニ:ヴァイオリン協奏曲集

ディスク
Gjuliano Carmignola
Concerto Veneziano


録音2004年、イタリア
輸入盤、Archiv
SACDハイブリッド

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角の丸いプラケース。ブックレットには英語、ドイツ語他の解説。写真はなし。

SACD層
96kHz/24bit(ステレオ)
96kHz/24bit(5.1Surround)
CD層
44.1kHz/16bit

3作曲家のヴァイオリン協奏曲の名曲

 カルミニョーラは1973年、パガニーニ国際コンクールで優勝。その後はバロック・ヴァイオリンの演奏に着手したヴァイオリニストです。
 収録されているのは、
 ヴィヴァルディ(1678-1741)の「ヴァイオリンと(2群の)弦楽のための協奏曲」、「ヴァイオリンと弦楽のための協奏曲 ホ短調」。
 ロカテッリ(1695-1764)の「ヴァイオリン協奏曲」。
 タルティーニ(1692-1770)の「ヴァイオリンと弦楽のための協奏曲」。いずれもヴィルトゥオジティあふれる協奏曲です。

  まずヴェネツィア人のヴィヴァルディ。あいかわらず情熱的でいい曲です。とくにホ短調は、モーツァルトのような「哀しみ」を感じるロマン派を思わせる曲です。
 ロカテッリも、第1楽章、第3楽章の「カプリッチョ」で長いヴァイオリン・ソロを聴かせます。
 タルティーニは「超絶技巧」のイメージでしたが、収録曲は“カンタービレ”を加えた明るく抒情的な音楽。とくに最終トラックに収められた暖徐楽章別ヴァージョン「小川に、嵐に、河に、流れよ、苦しい涙よ、私の堪えがたい苦しみが消え去るまで」のつつましやかな美しさには心動かされました。

ヴァイオリン独奏は聴き所、マルチでは前方空間が一回り大きく深く

 小編成古楽器オーケストラの、金属的な音が流れます。
 アタックもハッキリした奏法ですので、最初はコントラストを感じますが、聴きなれるとそこに豊かな響きが沢山含まれているのに気づきます。トゥッティでの低音の豊かさも聴きもの。
 カルミニョーラの独奏が、かなり出てきますが、1739年製フローレーノ・ギダントゥス製ヴァイオリンは豊かな響き。
 バロック・ヴァイオリンにはモダン・ヴァイオリンの威圧的なところも、英雄的なところもなく、まるで「ひとり室内楽」のように、穏やかで多彩な音が感じられます。ヴァイオリン独奏は、このSACDの聴きどころであり楽しみです。

 マルチチャンネルは、残響が広がるものの、サラウンド感を強調するものであはありませんでした。
 その一方でフロントのソロ、オーケストラ空間が、ステレオ再生よりも大きく、深い空間に聴こえます。
 とくにソロ・ヴァイオリンの独奏では、ヴァイオリンのまわりの空間が、マルチチャンネルではひとまわり大きく感じました。

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ジュリアーノ・カルミニョーラのSACD
ヴィヴァルディ:後期ヴァイオリン協奏曲 第2集
2010.11.23