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クイケン四重奏団
モーツァルト:クラリネット五重奏曲、ホルン五重奏曲、オーボエ四重奏曲

Hybrid Stereo/Multi-ch

輸入盤

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モーツァルトの傑作室内楽を古楽器で聴く

 モーツァルトのクラリネット五重奏曲は、心に染みる名曲です。もちろん本人に自覚があるはずはないですが、晩年の無垢の世界があるんですね。
 この曲、アナログ時代から数々の名盤がありますが、このクイケン盤もけっこう良かったです。
 クイケン四重奏団はオランダの古楽のメンバー。ここでも古楽器による演奏です。古楽器なので弦が贅肉のない音、ビブラートもないから、2楽章の「ラルゲット」など、かすれそうなアンサンブルで、でもこれが荒涼としたこの楽章には合っています。
 それに加わる管楽器であるクラリネット、ホルン、オーボエもみな古楽器ですから、現代楽器にくらべると音がまろやかです。

 マルチチャンネルでは、つつましい倍音に包まれて、リスニングルームが室内楽の編成にぴったりの広さに感じるようになる。管楽器と弦楽器の響き方の違いが、音の広がりとしても違って聴こえる気がする。
 弦はスッと前方にある感じ。一方、一緒に吹くクラリネットは甘い音色が、もっと豊かに広がる。ホルンもベルがこちらに向かない分、やわらかく、広がりをもって聴こえる。オーディオ的に、このニュアンスの差もよかったです。
 クイケン四重奏団はモーツァルトの「レクイエム」弦楽四重奏版もSACDで出しています。そちらも聴いてみたいものです。

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2008.4.16