親密感のあるショスタコーヴィチの弦楽四重奏曲
ストラヴィンスキーやプロコフィエフと同じロシア人でありながら、社会主義という世界で作曲していたのがショスタコーヴィチですね。
ショスタコーヴィチの音楽は、もちろん12音技法の洗礼も受けていたでしょうが、現代音楽でありながら「音がコムズカシクない」のが特長です。19~20世紀初頭までのクラシックと、同じ感覚でわりと聴けます。
それでいて現代音楽の“スリル”みたいなものも感じられて、じつに不思議というか、ハマると、たまらない作曲家であります。
さて、ショスタコーヴィチというと、まず交響曲第5番が有名ですが、この弦楽四重奏曲もいいですね。
普通、弦楽四重奏曲は、交響曲よりポピュラー度は落ちると思うのですが、ショスタコーヴィチの場合、交響曲並みに親密感を持ってしまうので不思議です。この耳に入りやすさはなんだろう。
このSA-CDには第3番、第6番、第8番が収められています。どれも第二次大戦後の作品になります。
ちなみにショスタコーヴィチは1975年没。個人的には現代音楽というより“同世代音楽”でもありますね。歴史上の人物ながら、「同じ時代に生きていた」という妙な感触にじわりときます。
タイトルに全集とあるので、マンデリング四重奏団はいずれ全15曲を録音すると思われます。ショスタコーヴィチの弦楽四重奏曲は全部ほしい気がします。
このSACDには、マンデリング四重奏団の映像が少し入ったDVDが付いてます。ポップスのミュージック・クリップみたいなもので時間は短いです。まあ「こういう人たちがやっているんだ」と分かる程度とお考えください。
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 2008.5.25
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