
DINU LIPATTI
PIANO RECITAL
MONO
録音1947年〜50年
国内盤、EMI Japan
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普通のプラケースにブックレット
ライナーは、サイモン・ギブソン氏の「EMIのカタログの中核をなす名録音のSACDのためのマスタリングについて」。
近藤憲一氏によるライナー「今、眼前でリパッティの演奏を聴くようなリアリティに感謝!」と曲解説。
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リパッティの録音が、芯のあるピアノ音で
ディヌ・リパッティ(1917〜1950)は、33歳という若さで夭折したルーマニアの天才ピアニストで、録音は少ないですが、今もファンが多くいます。
個人的にはリパッティの演奏は、「気品のある音の輝き」が魅力だと思っています。たとえモノラル録音でも、音を聞いただけで、リパッティの素晴らしさが分かります。
本作『ピアノ・リサイタル』は、リパッティのソロ・ピアノで、小品を集めたアルバムです。プロデュースは、リパッティの録音を最後まで手がけたワルター・レッグ。
アルバムは、バッハの「主よ、人の望みの喜びよ」(ヘス編曲)で、美しく始まります。
SACDの音は、かつんとあたる硬質なピアノ音。
リパッティはLPレコードで聴いていましたが、LPレコードの音は柔らかいといえば聞こえがいいのですが、どこか芯がないような気がしたものです。
それがSACDでは硬質なピアノ音で聴けるのがいいと思いました。音像も大きいです。バッハ「コラール前奏曲〈来たれ、異教徒の救いの主よ〉」(ブゾーニ編曲)では、荘厳さに心打たれます。
後半に入ると、スカルラッティのソナタ〈パストラーレ)。
原盤のスクラッチ音が聞え、前半のバッハより、あきらか音質が落ちます。
しかしこの音質も、スカルラッティの愛らしい曲とともに、チャーミングに聴けてしまう。この音にも芯があるのは、SACDならでは、だと思います。
ショパンの「舟歌」、ラベルの「道化師の朝の歌」も、キラキラとしている演奏でした。
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ディヌ・リパッティのSACD
 2012.1.15
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