
Ensemble Planēta
Romance

国内盤 ポニーキャニオン
Amazon(SACDハイブリッド盤)
Amazon(CD)
ブックレットには歌詞と曲解説。写真1点(ジャケットと同じセッションのもの)
収録曲
1. 愛のロマンス(スペイン民謡)
2. カノン(パッヘルベル)
3. 別れの曲(ショパン)
4. ロンドンデリーの歌(アイルランド民謡)
5. 歌劇「ジャンニ・スキッキ」~私のお父さん(プッチーニ)
6. アヴェ・マリア(シューベルト)
7. 交響詩「わが祖国」~モルダウ(スメタナ)
8. トロイメライ(シューマン)
9. 我が母の教え給いし歌(ドヴォルザーク)
10. 愛の歓び(マルティーニ)
11. パラダイス(書上奈朋子)
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ノン・ヴィヴラートによる女性アカペラ
アンサンブル・プラネタは女性ヴォーカルだけのアカペラ・グループです。2001年にデビュー。メンバーは時期によって、いろいろ替わっているようです。本作は5作目のアルバム。
アカペラというと、イージー・リスニングぽくて、クラシック・ファンには、少々物足りなく感じてしまいますが、アンサンブル・プラネタの場合、「おっ」と思う所があったので取り上げてみました。
このグループの特徴は、ヴィブラートをかけない、ノン・ヴィヴラート唱法。中世風の趣きのある、張りつめた声の重なりに「おっ」と思ったのでした。
特に気に入ったのは、ソプラノのパートを歌う人(ブックレットでは、メンバーの誰か判明できず、こう書きます)。
この人のソプラノは、ハイトーンに向かうほど、硬く、ピッコロのような声。ショパンの「別れの曲」(村田悦子による作詞、フランス語?)、で思いきり堪能できます。
もちろん他のパートは、伴奏風のパッセージをやわらかく歌います。
収録曲も「ロンドンデリーの歌」、シューベルト「アヴェ・マリア」などの定番曲から、歌曲好きも満足する、プッチーニの「私のお父さん」(歌劇『ジャンニ・スキッキ』より)、ドヴォルザーク「我が母の教え給いし歌」などが入っていて、クラシック的な聴きごたえがありました。
SACDの音
声楽アンサンブルのSACDですが、SACDファン御用達の高音質盤にみられるような“ナチュラルな音空間”とは少しちがいます。
教会の中のような、たたずまいの残響音です。ハイエンド・マニアからすると、この残響のなかに、どこか人工的な感じがするのが否めないのですが、それでもこの歌だと、こういう残響があったほうがいいな、と思います。
たぶん、アンサンブル・プラネタを聴くときに、幸せな気分に浸らせてくれるのは、無菌のナチュラル空間ではなく、この残響音だろうと思うからです。
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アンサンブル・プラネタのSACD
 2011.6.23
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