
Nikolaus Harnoncourt
Bach: Weihnachtsoratorium, BWV 248
ニコラウス・アーノンクール指揮
アルノルト・シェーンベルク合唱団
ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス 
録音:06年12月、07年1月、ウィーン、ムジークフェラインザール(ライヴ)
国内盤、輸入盤、2枚組
Amazon
DISK1 約77分
DISK2 約72分
2枚組で、昔ながらのかさ張るプラケースに入っているのはいただけないが、演奏録音とも素晴らしい。ブックレットと一緒に箱入り。箱はクリスマスにふさわしい金です。
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アーノンクールの成熟した演奏
アーノンクールの「クリスマス・オラトリオ」の最新録音がでました。2006年12月と2007年1月、ウィーン、ムジークフェラインザールでの録音です。
アーノンクールは、その昔、「我が道を行く」というか、先鋭的というか、まあ、リスナーには挑戦的な演奏で、他の古楽器演奏とは一線を画す活動をしてきたように思います。
しかし、この21世紀になってからの再録音「クリスマス・オラトリオ」を聴いてみると、生意気言うようですが「成熟した演奏になった!」とつくづく思いました。
そこのところは、いち音楽ファンでもすごくわかった。かつての先鋭的なところは、ちょうどいいバランスで演奏に組み込まれ、その分、本当に深みが迫ってきます。たとえば、カンタータ第2番の冒頭「シンフォニア」の切々とした流れには、そうとう引込まれました。各ソロパートも同様です。
優秀再生と思います
演奏の素晴らしさと密接に関係していますが、このSACDは、なんとか5.0chマルチチャンネルで聴いていただけたらと思います。
リスニングルームを静かに覆う、世界の名門、ムジークフェラインザールの響きは透明で、演奏と綺麗にブレンドされております。
特に素晴らしいのが合唱で、肉声が集まっているようなザラザラ感とか、奥行き感が大変心地良い。
それに加わるウィーン・コンツェントス・ムジクスの音色の厚みもちょうどよい味わい。もともとこの楽団の音色は、他の古楽器オーケストラと明らかにちがって、すこしザラザラ感があったように思いますが、SACDで聴くととてもキモチいいわけです。
もちろんソロパートの演奏、録音とも秀逸で、ソロでの空間スペースでは、ホールの響きを、今さらながら気づかされます。優秀録音というか、優秀再生なSACDと言えましょう。グイグイと引き離さない演奏ともども、かなり至福のSACDです。
なお「クリスマス・オラトリオ」は6つのカンタータで構成されています。さすがに全体は長いので、初めての方は、たとえば「今日はこの2つのカンタータ」と選んで聴くと、聴きやすいと思いますヨ。
2007.12.24
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