
W.A.Mozart
Opera & Concert Arias
Un moto di gioia
Miah persson(s)

録音2005年
Örebro Concert Hall, Sweden
輸入盤、BIS
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角の丸いプラケースにブックレット。英独仏語のライナー。歌詞は原語と英語訳。
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モーツァルトの涙ものコンサート・アリアの数々
モーツァルトのコンサート・アリアは、交響曲や協奏曲とは、まったく違った趣きの作品だと思います。
というのも、ほとんどが実在の歌手を念頭において作曲されたからで、とくにソプラノのための作品は魅惑的。本作は、そのコンサート・アリアと、うまく溶け込むようなオペラ・アリアを組み合わせたSACDです。
まずは、2曲目の「どうしてあなたが忘れられましょう」K.505が傑作。モーツァルトが愛をよせていた歌手ナンシー・ストレースのために書かれた崇高のアリア。
美しいピアノ・オブリガードはモーツァルトが弾いたのでしょう。ソプラノ独唱を愛撫するかのようで、美しくもエロティックな名曲。
3曲目「わが感謝をうけたまえ」K.383は、のちに妻となるコンスタンツェの姉で、モーツァルトが愛し、失恋したアロイジア・ランゲのために書かれました。
おだやかな始まりながら、うつろい、揺れ動くメロディをパーションが見事に歌います。バックのやわらかい木管の流れを聴いているだけでも「ああ、モーツァルト!」と感激の涙。
そのほか歌劇から〈フィガロの結婚〉からスザンナ(当時ナンシー・ストレースが演じた)のアリアを2曲。〈コシ・ファン・トゥッテ〉からドラマティックなアリア、〈ツァイーデ〉から「こんないい曲、あったのか!」というアリアが続きます。
最後は有名なモテット「踊れ、喜べ、汝幸いなる魂よ」K.165。それまでの大人の女から、汚れを知らぬ処女のような、若々しい曲でしめくくります。
実演のような空間で、どっぷりとモーツァルトのエロティシズムに
SACDマルチチャンネルで聴きました。
ソプラノのミア・パーションは、ジャケット写真のコケティッシュなイメージから余情的なリリコ・ソプラノを想像しますが、実際は芯のある低域のしっかりした声質。〈フィガロの結婚〉のスザンナ役もぴったりとはまりそうです。
マルチチャンネルでは、声楽、オーケストラとも、コンサートホールの響きを、背に受けたように輝き、前方に広がります。
室内オーケストラはタップリとした空間で立ち上がります。声楽は、残響が艶を与えてみずみずしい。それでも芯のある声がこちらに届きます。パーションの感情表現も文句なし。
僕にとっての宝物のK.505やK.383は、歴史的名歌手のCDで持っているものの、やはりペッタリとした空間はいかんともしがたい。
このパーション盤では、サラウンドにより、実演のような空間で、どっぷりとモーツァルトのエロティシズムに浸れるのが魅力です。
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 2010.12.20
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