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コリン・デイヴィス指揮ロンドン交響楽団&合唱団
モーツァルト:レクイエム

Hybrid Stereo/Multi-ch
輸入盤、LSO

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通常のジェスマイアー版です。
普通のプラケース。

天上的なオブラートのない、リアルな「レクイエム」

 ロンドン交響楽団の自主制作で知られるLSOレーベル。これは2007年9月と10月に、コリン・デイヴィス指揮によるライウ録音です。
 この演奏はなかなか激しいです。とは言っても、“荒々しい”激しさではなく、“むき出し”の激しさといいましょうか。
 〈怒りの日〉はつきささるよう。全体的にベクトルが、そちらに向かっているからか、天上的な〈ラクリモサ〉など、他の演奏なら恍惚なところが、この演奏ではそれほどでもない。
 ひっきょう、他の「レクイエム」が、レコードとして上手く作られた録音としたら、これは天上的なオブラートのないリアルな「レクイエム」に感じられました。ライウ録音ということもあるでしょうが、コリン・デイヴィス、80歳にして、まだキツク振ってくれます。

ステージの再現も感じられるマルチチャンネル

 そんなリアリティを感じたのも、マルチチャンネルで聴いたからかもしれません。ホールトーンのなか、前方にステージの配置が手に取るようにわかる。
 スタジオ録音なら、右から左まで一列に並んぶ独唱者4人も、この録音では、ステージどおり指揮者の左側に並んで聴こえる。
 〈妙なるラッパの〉の冒頭、トロンボーンのソロが右端に鳴り響くと、答えるようにあらわれるバス独唱は左端、ぽっかり中央にあいたステージの空間が生々しい。
 そんな空間も、大合唱とオーケストラのトゥッティでは、グワァーと音で埋まる。生で「レクイエム」を聴いた事は一度もないだけに、ここにもリアリティを感じるわけですね。

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2008.4.30