
Shostakovich : The Nose
Gergiev
Marinsky Soloists. Orchestra, and Chorus
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録音2008年7月、The Marinsky Concert Hall
SACDハイブリッド2枚組
普通のプラケースにSACD2枚を収録。紙箱にプラケースとブックレットを収納。
ブックレットはカラー印刷。
オペラの歌詞として、原語のロシア語と英語訳。
ご丁寧に、ロシア語の英語での文字発音表つき。
マリインスキー歌劇場での、公演写真が少々。
ゲルギエフ、マリインスキー・コンサート・ホールの建物、ステージ写真。マリインスキー歌劇場の建物、内部写真もあり。
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ショスタコーヴィチ22歳の作品ながら、のちの交響曲のような「ショスタコ満足度」
本作はSACD2枚組、演奏はゲルギエフ指揮マリインスキー劇場管弦楽団。マリインスキー・コンサート・ホールでの演奏会形式の録音です。
ショスタコーヴィチの歌劇〈鼻〉は1928年作曲。原作はロシアの文豪ゴーゴリの短編小説『鼻』です。
初めてこのオペラを聴きましたが、作曲家が22歳の時の作品(作品15)にもかかわらず、独特のシニカルなスタイルが完成されていて、未熟なところがありません。のちの交響曲を聴く時のような「ショスタコ満足度」でした。
歌劇〈鼻〉のあらすじとSACDの音

若きショスタコーヴィチ。ブックレット掲載の写真。 第1幕、第1場
ある日、床屋のイワンの部屋の、パンの中から突然鼻があらわれます。
ショスタコーヴィッチの音楽は、打楽器やピアノなど多用した、ノリのいいもの。
SACDの音はとても柔らかく、マルチチャンネルは、ステージを再現するかのような前方中心の音ですが、残響は耳障りではなく、すごく綺麗なサラウンド空間です。
気持ち悪く思ったイワンは、鼻を川に投げ捨てます(オイオイ)。
第1幕、間奏曲
打楽器奏者だけで演奏される2分59秒。
ステージ右側に位置する打楽器群の音が、部屋全体に広がっていきます。クリアさと迫力の、怒濤のオーディオ音です。
第1幕、第3場
間奏曲のあと、鼻の持ち主、8等官コワリュフの部屋。
鼻がないのに気づくと大慌て。部屋を飛び出したところで、オーケストラによる、ショスタコらしい狂気的な「ギャロップ」です。
第1幕、第4場
コワリョフがたどり着いたのは教会で、鼻が司祭をしています。信者たちの祈りの合唱が、素晴らしいです。
さらに、第2幕は新聞社の広告部に、コワリョフが自分の鼻の懸賞広告を出すシーンを経て、ディスク1が終了します
第2幕にも聴きどころが
ディスク2から第2幕ですが、全体を通じてリズミカルなので、退屈しません。
最後の群衆の大合唱などは、ストラヴィンスキーの声楽曲『結婚』のような迫力で、あらためて若干22歳のショスタコーヴィチの才能に驚くのでした。
最後に、鼻は持ち主のコワリョフのもとに戻り、安らかな音楽とともに幕となります。よかったら聴いてみてください。
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 2012.7.19
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