
akiko
mood indigo

国内盤、ヴァーヴ
SACDハイブリッド
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ブックレットには歌詞(英語)とジャケット写真と同じフォトセッションの写真が数枚。
SACDマルチチャンネルのマスタリングはソニーの鈴木浩二氏。
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21世紀の「ハードバップ」? ジャズとポップスにまたがる好作品
前作『ムード・スウィングス』(レビュー)が素晴らしかったakiko、続編の『ムード・インディゴ』も聴いてみました。本ディスクもSACDハイブリッドでマルチチャンネルも収録。
導入のテーマのあと、『ストレート・ノー・チェイサー』で、はやくも“聴けるヴォーカル・アルバム”というのが分かります。
akikoのヴォーカルは、ドラマティックではなく、アンニョイなものですが、切れ味のいい演奏に、うまく溶け込んで、独特の雰囲気を出しています。
『ムード・スウィングス』と同じくらい、このアルバムもサウンドが素晴らしいと思う。プロデュースは前作同様、クラブDJの須永辰緒。
でも本作はジャズっぽさが前面に出ています。スネアブラシが刻むフォービート・ジャズが多く聴かれます
それでいて、クラブの血が入ったジャズは、ありきたりのジャズとは何かが違う。21世紀の「ハードバップ」はこんな風でしょうか。
ジャズとポップス、両方にまたがる好作品だと思います。ポップスを聴く人にも、確実に気に入ってもらえるジャズでしょう。
SACD2chは高音質に舌なめずり、
マルチチャンネルは〈高音質とサラウンドとの競演〉
最初はSACD2chで聴いてみました。
厚みがあり、まろやかでアナログぽいサウンド。SACD2chでは、こういうジャズの音は本当に素晴らしく鳴るけれど、これもそんな一枚。
サックスも印象的。一部、打ち込み系の曲もありますが、そのリズムもSACDでは、相当ふくよかに聴けてマル。
マルチチャンネルは、SACD2chの「ジャズの高音質に舌なめずりする」から、「サラウンドの演出に舌なめずり」する、に変わります。もちろん音質は同等なので〈高音質とサラウンドとの競演〉になります。
360度全方向のサラウンドは、音楽と一体となっていて完成度は高い。ポップスのSACDのサラウンドよりも、面白いと思うくらい。
SACD2chで存在感を出していたサックスは、左リアのスピーカーから、ほとんどオンマイクで吹きまくります。普通ならベタな演出も、全体がガッチリと構成されているので(また、サックス自体の音処理もうまいので)、違和感がなく、熱気を演出しています。
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akikoのSACDレビュー
 2010.8.25
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