ネルロ・サンティ指揮チューリヒ歌劇場管弦楽団、レオ・ヌッチ(バリトン)
ヴェルディ:『リゴレット』全曲
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Verdi
Rigoletto

Amazon(輸入盤)
Amazon(国内盤)
輸入盤、ArtHaus Musik
収録:2006年、チューリッヒ歌劇場
画面:16:9/1080i
音声:PCM Stereo・DTS-HD・MasterAudio7.1
字幕:輸入盤も日本語字幕あり
収録時間:128分(オペラ)、130分(カタログ映像)
リゴレット/レオ・ヌッチ(Br)
ジルダ/エレナ・モシュク(Sp)
マントヴァ公爵/ピョートル・ベチャーラ(Tn)
演出はオーソドックスな衣装と舞台装置
特典映像は45本のオペラ、バレエなどのカタログ映像。1本が数分で手短かに編集されている。音声はPCMステレオ。
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リゴレットのハマり役、レオ・ヌッチが観れるBlu-ray
ヴェルディのオペラで文句なしに好きなのが『リゴレット』です。
血湧き、肉踊るわかりやすいメロディ。最初から最後まで中だるみのないストーリー。
これぞベルディ。イタリア・オペラ入門としても最適です。
輸入盤を観たのですが、日本語字幕がメニューで選べます。
主人公リゴレットは、せむし男の道化師。そして一人娘を愛する父親でもあります。
このBlu-rayは、現在リゴレット役で右に出るものがいないレオ・ヌッチ(バリトン)が歌っているのが、最大の魅力でしょう。
「レオ・ヌッチがリゴレットか、リゴレットがレオ・ヌッチか?」と思わせるほど一心同体のハマり役です。第2幕、「悪魔め、鬼め」の気迫あふれるアリアのあとは、しばし拍手が鳴り止みませんでした。
ヌッチ以外の歌手もさえ、老年の大家サンティの指揮もいい
リゴレットの娘ジルダを歌う、エレナ・モシュクの歌唱力も良かったです。ヌッチとの二重唱も文句なし。
そのジルダを口説いて、リゴレット親子を破滅へとむかわせる、マントヴァ伯爵のピョートル・ペチャーラ(テノール)も伸びやかな声で、期待どおりのイタリア・オペラの声楽を堪能できました。
第3幕の四重奏も迫力十分。みんなよくて、レオ・ヌッチひとりの舞台かと思っていたのは杞憂でした。
恥ずかしながら知らなかったのですが、指揮者のネルロ・サンティも有名なマエストロのようです。
最初オケピットに入ってきたとき、ヒッチコックのような、のんびりした風貌でしたので、ぱっとしない指揮者かと思ったのですが、第2幕、第3幕のラストなど、凄まじくたたみかけるオーケストラは“トスカニーニ路線”。
「この人、風貌とちがう」と先入観を恥じたのでした。
Blu-rayの音
Blu-rayの画質はハイビジョンで言うまでもないクオリティです。
DTS-HD・MasterAudio 7.1は5chで聴きました。
サラウンドは劇場のホール・トーンが薄くかかる音。オーケストラはほどよくミックスされた音で、実演のような雰囲気です。
2chであるPCM Stereoは、サラウンドよりは音がしまる反面、全体の響きがなくなるので、前方からの「オーディオ音」で終わってしまうのが惜しいところ。
やはりDTS-HD・MasterAudio 7.1のほうが、劇場に近い響きだし、音もナチュラルです。エレナ・モシュクのソプラノの、ハイトーンが消えていくところも美しく再現されます。
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SACDラボのブルーレイ・レビュー
 2011.11.8
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