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グレン・グールド
バッハ:イタリア協奏曲、パルティータ第1番/第2番

ディスク

GLENN GOULD
BACH:"ITALIAN" CONCERTO /
PARTITA NO.1, NO.2

録音1959年
ソニーミュージック

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国内盤はソニーのSACD初期の正方形デジパック仕様。4つ折のペラ解説書には、初出のLPに掲載されていたライナーの日本語訳を掲載。

“グールドのバッハ、ここにあり”の「イタリア協奏曲」

 本作は、グレン・グールドの数少ないSACDのひとつ。SACD専用ディスクです。
 これはグールドの9枚目のアルバム。1959年録音で、まだコンサートをしていた頃の演奏です。曲はバッハの「イタリア協奏曲」とパルティータ第1番、第2番。

 「イタリア協奏曲」は“協奏曲”と名がつくものの、鍵盤楽器だけの曲です。バッハの中でも、とりわけ明るく爽快な曲。
 これをグールドの、超絶的なマルカート奏法で聴くと、この上なく興奮します。特に第1、第3楽章のスピード感は素晴らしい。またゆっくりとした第2楽章は、独白的な世界を感じました。
 つづくパルティータも親しみやすい楽曲です。第1番は明るくメロディアスな曲。第2番は短調な中にクールな感じ。
 グールドの演奏はパルティータも独特です。早いパッセージを無機的な音処理で疾走するところが爽快。

 一般にグレン・グールドというと『ゴールドベルク変奏曲』が思い浮かびますが、“グールドのバッハ、ここにあり”と圧倒的な印象を与えるのは、この「イタリア協奏曲」やパルティータのほうではないでしょうか。デビューした頃の、溌剌としたグールドがここにはいます。
 アルバムはトータル40分ほど。明るく、ノリノリのバッハと、グールドの奏法が見事に融合した「音楽時間」を楽しめます。

SACDの音

 1959年録音ですが、音は柔らかく、ヒスノイズはほとんど聞えません。正確には、かなりの大音量にすると聞えるのですが、それも空気中に感じる程度。「シャー」という音にまでならないヒスノイズとお考えください。
 クリアな音空間ですので、チェンバロのように単調に思えるグールドのタッチが、実は微妙なニュアンスを持っているところも堪能できました。

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2011.10.19