グレン・グールド、2度目の『ゴールドベルク変奏曲』
グールドの『ゴールドベルク変奏曲』。
長年の愛聴盤ですが、愛聴盤というより、ほとんど自分の身体の一部のようなレコード。
じっくりと聴くこともあれば、何かしながら聴くこともある。それでも、つい棚からだして聴いてしまうのだ。
自分では「メチャメチャ、グールドが好き」という意識はありませんが、やはり好きなんでしょう。グールドのCDはだいたいそろえているので。
グールドの『ゴールドベルク変奏曲』は、1956年のデビュー盤も有名で、評価も高いと思いますが、僕がいつも聴いてしまうのは、このステレオ録音のほう。
最初に書いたように、LP時代から身体の一部みたいになっているから、もう切り離せないのかな。
SACDで変奏曲は永遠につづく
そんな演奏も、LPからCDへと聴きつないできて、今はもちろんSACDで聴いております。
SACDで聴く楽しみは、やはり音である。
SACDの特徴である、空気感。
特にDSDレコーディングで顕著に感じられる、あの、音の周りに感じる空気感は、このディスクにおいても、グールドのノン・レガート奏法の音つぶに、ニュアンスが感じられる。
それに浸るのがSACD版『ゴールドベルク変奏曲』の一番のごちそうかな。
あともうひとつ。
「グールドはどうして録音に、ヤマハ・ピアノを使ったのか?」
答えは演奏の中に隠されているのだが、その微妙な音のニュアンスにせまれるのも、このSACDを聴くときの楽しみだ。
そんなこんなで、『ゴールドベルク変奏曲』とのつき合いは、まだまだ続きそう。
グールドの『ゴールドベルク変奏曲』は、僕にとって、終わりのない子守歌なのかもしれません。
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グレン・グールドのSACDレビュー
2006.10.14
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