
Verdi: La Traviata
Carlos Keiber

録音1976&1977年
輸入盤、グラモフォン
SACDハイブリッド2枚組
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昔ながらの厚い2枚組プラケース。ブックレットには、全曲の歌詞がイタリア語と英語で。ライナーは英、独と仏語。
SACDレイヤー
96kHz/24bit PCM Stereo
96kHz/24bit PCM5.1 Sorround
CDレイヤー
44.1kHz/16bit PCM Stereo
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カルロス・クライバーの名盤オペラのSACD化
クライバーが振って、コトルバス、ドミンゴが歌う〈椿姫〉のアナログ・レコードの名盤。これがSACDでも発売されております。
〈椿姫〉は「血湧き、肉踊る」ヴェルディの歌劇のなかでも、特別に好きな作品です。ひとつひとつのアリアが「永遠の名曲」といった風情です。
クライバーのこの録音は昔からの愛聴盤。そのワルツの優雅なこと。エクセレントなダイナミズム。〈椿姫〉と言えばこの演奏と思っていたので、2004年頃でしたか、SACDでリリースされた時、迷わず買いました。
SACDステレオとSACDマルチチャンネル
「前奏曲」の、出だしの忍び寄る弦を聴いたところから、音のちがいを感じます。
CD層では、少しきらきらとハッキリしすぎな感じです。それがSACD 2chでは、つや消しの沈んだ音になります。
長年CDで聴いてきた演奏ですので、マルチチャンネルの音場は最初、戸惑いました。広がりは出るのですが、音がちょっと宙に浮いた感じがしたのです。
でも、それも聴き続けていると違和感がなくなります。もともと2chでは広がりを押さえた録音のように感じたので、マルチの残響音をつけた広がりは、やはり聴きやすいと思います。特に声楽はこの残響音がうまくサポートして、よりリアルに思えました。
マルチチャンネルのアレンジについて
マルチチャンネルといっても、ほとんど2chと同じデザインの音場ですが、ときおりマルチならではのアレンジがあります。
第1幕のパーティー。2chでは遠近感を出して遠くで鳴っているオーケストラの音を、マルチチャンネルではリスニングルーム後ろ半分に配置して、フロントのソリストと3次元的に振り分けます。
有名なヴィオレッタ(コトルバス)のアリア「花から花へ」では、窓の外からアルフレード(ドミンゴ)が、応えるパートがあるのですが、そのアルフレードの声が右リアから。実際のオペラでも、客席の後ろ扉から歌手が出てきて歌う演出もあるのですから、これもアリでしょう。
個人的には、ステレオとマルチ、2対8の割合でマルチを聴くことが多いですが(なにせリラックスして聴けるのです)、オーケストラの音や歌手の声にフォーカスを絞りたいなら、2chで聴くのもよいと思います。
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カルロス・クライバーのSACD
 2010.10.26
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