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S
SACDhybrid 上原ひろみ
アナザー・マインド


Hiromi
Another Mind

Amazon(輸入盤)
Amazon(国内盤)

Hybrid Stereo/Multi-ch
録音 2002年9月
N.Y.アヴァター・スタジオ
Telarc、SACDハイブリッド

ボーナストラック「トムとジェリー」はStereoのみ収録。

パーソネル
上原ひろみ(p,key)
ミッチー・コーン(b)
デイヴ・ディセンゾ(ds)
ゲスト
アンソニー・ジャクソン(b)
ジム・アドグレン(as)
デイヴ・フュズィンスキー(g)

角の丸いプラケースにブックレット。

ブックレットには上原ひろみのライナー(英語)「私が初めて音楽を演奏した時のこと」「ヤマハ音楽振興会に参加して」「私のインスピレーションとゴール」「私の音楽スタイル」「私のキャリアを伸ばしていく上でのアーマッド・ジャマルへの思い」。白黒写真少々。

国内盤には英文の上原ひろみのライナーの日本語訳。

 

音楽ファンの度肝を抜いた、上原ひろみのデビュー・アルバム

 本作は上原ひろみの、全米デビュー・アルバム。バークリー音楽院に留学していた彼女が、卒業を前に録音。テラークより2003年に発表されました。

 1曲目「XYZ」で、世界中のジャズ・ファン、いや音楽ファンが度肝を抜かれたと思います。僕もそうです。
 「これはキング・クリムゾンの〈21世紀のスキッツォイド・マン〉ではないか!?」と腰を抜かしました。すさまじいリズム。
 凄いピアノ・プレイには、「これはキース・エマーソンではないか!?」とも思いました。
 もちろん、これっぽちも物真似と思うはずはなく、上原ひろみのオリジナリティに脱帽してしまうのです。

 上原ひろみは、スタンダード・ジャズ風な演奏も、もちろん上手いです。オスカー・ピーターソンを思わせるノリ。それでいて、ロックのようなキメ・フレーズも、屈託なく入れてきます。
 上原ひろみの音楽には、何にも縛られない〈若さ!〉が溢れていて、本当に胸がすく思いがします。

オーバー・ダビングなしのDSDレコーディング

 曲はすべて上原ひろみのオリジナル。
 上原ひろみは、「演奏者とリスナーの間で、エネルギーが行き来することが不可欠」ということで、本作の収録曲全部を、オーバー・ダビングなしの生(ライヴ)録音したそうです。
 この演奏がダビングなしとは本当に信じられません。
 他のバンド・メンバーも、彼女と同じくらい才能があるのではないかと思ってしまうくらい息が合っています。

 本作の音は、「アナログ風」とか「クリア」という言葉さえ人工的に思われるほど、自然でシンのある音です。
 「音の粒子のレベルから筋肉質」な感じで、とくに彼女が豪快に弾く、ピアノの低音の響きは圧倒的。

 マルチチャンネルは、基本的に前方中心ですが、ロック・テイストの音では、遠慮なく全方向に振り分けております。エキサイティングな演奏を、さらにエキサイティングにしてくれるサラウンド。

 チック・コリアや、ハービー・ハンコックの名作に匹敵するアルバムが、極上の、オーバーダブなしのDSDレコーディング。
 さらにマルチチャンネルでも聴くことができるのですから、喜びもひとしおです。

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上原ひろのSACD
B00022FWOK Brain (Hybr)
セカンドアルバム。
SACDラボレビュー
B000CRR3LK Spiral (Hybr) (Ac3)
サード・アルバム
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B000N4SADM Time Control (Hybr)
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B0017TCSSK Beyond Standard
5枚目のアルバム。
2012.6.5