円熟ゆえの甘さもなく、よい出来です
スティングが99年に発表した作品。
スティングは、80年代にソロデビューした『ブルータートルの夢』や、そのあとの『ナッシング・ライク・ザ・サン』『ソウル・ケイジ』くらいしか聴いてなかったので、この『Brand New Day』でひさびさにスティングを聴いてみました。
基本的には80年代と、そんなに変わっていない気がした。
この人の場合、ロックと言ってもインターナショナルな要素を持っていて、たとえば80年代ではラテンぽい曲調もあったけど、本作でも「DESERT ROSE」が中近東ぽい曲である(女性ボーカルが入る)。
カントリーぽい「Fill Her Up」はノー天気で楽しいし、もちろん、ボサノバ調、ヒップホップ調などバラエティにとんでいるが、どれもハードボイルドなスティングの歌声でくくられて、曲としてブレはない。
ゲストもスティービー・ワンダー(ハーモニカだけかもしれない)、ジェームス・テイラーら大物が参加。デビュー時の盟友、ブランフォード・マルサリスもクラリネットで参加している。
全体的に円熟した本作は、それゆえの甘さもなく、全10曲、しっかりとした良い曲が並んでいると思う。個人的には、トータルの出来はいいと思いました。
マルチチャンネルは落ち着いて包み込むサラウンド
マルチチャンネルでは、サラウンド感をわりと感じさせてくれる楽器配置。全体的に包み込む感じの落ち着いたサラウンドだ。コンガなど細かい音はリアに回るが、スティングの曲調にあっているので、なんら違和感がない。2chを聴くのと同じように、マルチチャンネルも自然と浸れる。
スティングには、21世紀に入ってからの作品、『SACRED LOVE』もSACD化されております。興味のある方はそちらもどうぞ。
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スティングとポリスのSACDレビュー
 2008.1.31
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