古楽界の名匠ジョルディ・サヴァールによる、モーツァルトの未完の大作「大ミサ曲ハ短調」の新録音がSACDハイブリッドで発売されました。
タワーレコードでは、2026年1月14日に発売。
録音は、サヴァールが信頼を寄せるピリオド楽器アンサンブル、ル・コンセール・デ・ナシオンらと共に行われました。
マルチチャンネル(5.1ch)も収録。サラウンドでは、合唱とオーケストラが織りなす音場を堪能できそうです。
「大ミサ曲ハ短調」は、モーツァルトが妻コンスタンツェとの結婚の誓いを果たすために作曲したとされる名曲ですが、一部が未完のまま遺されました。 本作はルカ・グリエルミによる新たな補筆完成版を用いている点が大きな特徴です。
従来の版とは異なるグリエルミ版による新たな解釈も、本作での聴きどころでしょう。
モーツァルト: 大ミサ曲 ハ短調 K.427(K.417a) ウィーン、1783年

モーツァルト: 大ミサ曲 ハ短調 K.427(K.417a) ウィーン、1783年
ジョルディ・サヴァール 、ル・コンセール・デ・ナシオン 、ラ・カペラ・レイアル・デ・カタルーニャ
作品の概要と、本演奏(グリエルミ版)における修復について
「I. キリエ」「II. グローリア」および「ベネディクトゥス」はモーツァルトのオリジナル。「III. クレド」(Credo in unum Deumは合唱とバスのパート、Et incarnatus estは声楽部と管楽とバスが完成。未完楽章)
10. Credo in unum Deum — 器楽パートを、声楽パートに基づいて再構成
11. Et incarnatus est — オーケストラの弦楽パートを補完
12. Crucifixus – Et resurrexit (ソプラノ I) — 《悔悟するダビデ》の第8曲アリア〈Tra le oscure ombre funeste(暗く運命的な影の中で)〉をもとに、ラテン語のテキストをあてはめ、終結部のみを作曲。
13. Et in Spiritum sanctum — ミサ曲の作曲時期とほぼ同時期の1780年に作曲されたハ長調ミサ曲 KV 337 の、チャッコーナのテンポによるクレド(未完成、頭から136小節のみ現存)をもとに、楽器編成と合唱の編成を10. Credoに合わせ、ラテン語の歌詞を合わせたもの「IV. サンクトゥス」
14. Sanctus (二重合唱)
15. Hosanna in excelsis (二重合唱)
17. Hosanna in excelsis [da capo] (二重合唱)
— いずれも合唱パートが5声のみモーツァルトのオリジナルが現存。既存の器楽の重複から声部を復元し、二重合唱の8声に素材をより良く分配することなど、修復作業は限定的なものとなっています。
16. Benedictus (2ソプラノ、テノール&バス) — モーツァルトのオリジナル。「V. アニュス・デイ」(モーツァルトの楽譜は残されていない)
18.Agnus Dei (ソプラノI 、合唱) — 本ミサ曲のKyrie eleisonおよび「ソルフェッジョ」KV 393の第2曲をもとに再構築
19. Dona nobis pacem (合唱) — モーツァルトのオリジナル・スケッチからの40小節を含む、トータル103小節の楽曲を新たに作曲。モーツァルトが二重の四声フーガを構想していたことがスケッチから明らかであると考え、残されている素材(第1主題、第2主題、二つの主題が結合する箇所など)から「フーガの設計図」を起草し、いくつかのディヴェルティメントと最終コーダを一から作曲しています。
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ALIA VOX


