
LIST
Transcendental Studies/ Hungarian Rhapsodies
GEORGES CZIFFRA
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(Disk1はMONO)
輸入盤 EMI
SACDハイブリッド3枚組
Disk1
リスト:
・超絶技巧練習曲集
・メフィスト・ワルツ第1番(村の居酒屋での踊り)
・2つの演奏会用練習曲より『小人の踊り』
(録音1957&58年 Mono)
Disk2
リスト:ハンガリー狂詩曲集
No.1 - No.9
Disk3
リスト:ハンガリー狂詩曲集
No.10 - No.19
(録音1972-75年 Stereo)
ハードカバーにSACDハイブリッド盤が3枚。
ブックレットにはオリジナルレコードのレーベル写真。EMIテープの写真。シフラがピアノを弾く白黒写真は、おなじみの手首に革バンド、そしてくわえタバコ。
ライナーは英仏独語。
 ハードカバー裏。
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このSACDでジョルジュ・シフラを知りました
ジョルジュ・シフラは1921年ハンガリー出身のピアニスト。第二次世界大戦後はソ連支配のハンガリーから脱出しようとして投獄。ハンガリー動乱で西側に脱出した経歴の持ち主です。
本作は、リストの『超絶技巧練習曲集』と『ハンガリー狂詩曲集(全曲)(2枚組)』をあわせた3枚組。
正直、低価格に惹かれて購入したのですが、シフラというピアニストと出会えて幸運なSACDになりました。
ポリーニのような凄いピアニストが、すでにいたのですね。今ごろシフラの存在に気づいて、先輩クラシック・ファンからお叱りをうけそうです。
華やかで、人間味溢れる超絶技巧な演奏
シフラはホロビッツのようなヴィルトゥオーソと言われますが、ディスク2&3の『リスト:ハンガリー狂詩曲集』を聴いて納得。
圧倒的なテクニックは、冒頭に書いた(70年代の)ポリーニを思い出したほどです。
しかしシフラの超絶技巧は、力強いと同時に華やかです。
それゆえ芝居がかった印象があるのですが、それも『ハンガリー狂詩曲』にはピッタリ。
そもそも曲自体が、人を興奮させてやろうという「サーカス的」なところがあるので、シフラの“人間味溢れる超絶技巧”はリストの思惑どおりなのではないでしょうか。
有名な第2番はもちろん面白いですが、全曲がシフラによって退屈せず聴くことができました。この演奏を聴くと、他のピアニストでは聴くことができません。
アナログ録音最盛期の素晴らしいピアノ音
『ハンガリー狂詩曲集』の録音は1970年代です。アナログ録音最盛期の、素晴らしいピアノ音を聴くことができます。
スピーカーはトールボーイタイプのB&W804で聴きました。
濃密でクリアな音。
これでも申し分なしですが、もし大型スピーカーを使ったら、本物のピアノのような重厚なピアノ・サウンドが目の前に構築されるのではないでしょうか。
モノラルでも広がり感はステレオとほぼ同等『超絶技巧練習曲集』
順番が逆になりましたが、ディスク1は、シフラ若き日の録音である『超絶技巧練習曲集』。オリジナルLP2枚を1枚に収録。
これも文字どおり“超絶”で、「現代のリスト」と言われたシフラの面目躍如です。
こちらはモノラル録音ですが、やや乾いた音なものの、伸びやかな再生音、広がり感はステレオ録音とほぼ同等。ステレオ前夜の完成されたモノラル音を楽しめます。
特に低音の厚みはビックリするほどで、「サブ・ウーハーが鳴っているのではないか」と錯覚するほど充実していました(トラック6と7)。
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SACD
 2012.6.12
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