
DENNIS BRAIN
MOZART:
HORN CONDERTS NOS.1-4
MONO
録音1953年11月
国内盤、EMI Japan
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普通のプラケースにブックレット。ブックレットにはアビイ・ロード・スタジオのサイモン・ギブソンのライナー。
藤井宏氏によるライナー「デニス・ブレインのふくよかで滑らかな音色の魅力がさらに増したマスタリングの威力」と曲解説。
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デニス・ブレインと若きカラヤンのモーツァルト「ホルン協奏曲」
伝説のホルン奏者、デニス・ブレインがソロを吹く、モーツァルトのホルン協奏曲全曲です。
指揮は若きカラヤン。オーケストラはフィルハーモニア管弦楽団。録音時はまだフルトヴェングラーも生きていて、カラヤンがベルリン・フィルの指揮者になるのはまだ先の話です。
SACDでリリースされたわけですが、音質はさすがに1953年録音とあって、良好なものではありません。
まずヒスノイズがあります。フォルテ以下の演奏では、ヒスノイズが耳に入ります(それを消さなかったと、好意的に考えたいですが)。
同じ1953年録音でも、フルトヴェングラーの1953年の録音のSACDのほうが音質はいいです(フルトヴェングラーのSACDの音が良すぎたとも言えますが)。
聴きしにまさるブレインのホルン
しかしこのアルバムは、音質に関係なく聴いてしまう名盤。
デニス・ブレインのホルンは、まるで木管楽器かヴァイオリンであるかのように、滑らかなソロを取ります。
早いパッセージも、メッチャなめらか!
プロならこれで当たり前と、思わないでください。ホルンという楽器で、こんなに流暢に吹けるのは超人であります。
ホルンはベルが後ろに向いているので、輪郭線のやわらかい音。いっぽうカラヤン指揮のオーケストラはキビキビとした演奏と音。バランスは第3番がいいです。
ホンル協奏曲の第1番から第4番は、どれもモーツァルトらしい曲。ホルンの柔らかいメロディが心地よく、今日もアルバムを聴き通してしまいました。
デニス・ブレインは1957年に、惜しくも自動車事故で不慮の死を遂げます。このアルバムは、36年の生涯を生きたブレインの残した代表作です。
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EMIクラシックス名盤SACD SACDラボレビュー
 2012.2.9
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