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Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band(UK/mono)

ビートルズは『パスト・マスターズ』の2枚を加えて15枚だけCDで買ってしまえば終わり。だのに今だレコードを買い続けている。他に聴くものないのかネ、と自嘲気味だが、とうとうこのアルバムを買ってしまった。

オリジナルの「切り抜き」「内袋」が欲しかった

UKオリジナルの『Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band』は、ファンなら持っていたい代物だ。オリジナルには「切り抜き」とサイケな「内袋」がついている。これらがセットで「Sgt. Peppar」のジャケットアートも完全なのだ。
 今回買ったのは残念ながら「内袋」が普通のものだが、その分30%引きの9000円。MONOで「切り抜き」と「内袋」のそろったレコードはなかなか出ないし、出たとしても高額になるのだ。まあ良しとしよう。

ステレオ盤とはミックスがちがうMONO盤

 聴いてみて驚いたのが、通常のステレオ盤とのミックスの違いだ。ステレオとMONOの違いは「左右に音が分かれる」だけだろうと思っていたのが素人だった。効果音とかの違いが随所で気づく。
 特筆すべきはリプライスの「Sgt. Pepper's」で、ギターの入りから歓声、観客に向かって叫ぶポールの声など、ステレオ盤とは違う仕上がりになっている。『アンソロジー』に入れて欲しかったと思うほど、ステレオ盤しか知らないリスナーには珍しい音源だろう。
 ディスクに曲間のミゾがないのもカッコいい。トータル・アルバム(じゃないとジョンは言っているが)を見事に演出してグーなのである。
「A Day In The Life」が終わって最後に現れる意味不明の言葉・笑い声は、もちろんレコードの内周に入っている。針を上げるまで延々と続く仕掛けだ。国内盤では演奏面以外に音を入れることは禁じられていたらしく、通常の最後のところに1回だけ入れて対処していた。何事も東洋の国までオリジナルどおり伝わらないものである。

盤質が最後の難関

いろいろ発見もあって楽しいUK盤だが、良い状態のディスクになかなか当たらないのが唯一悩みだ。このレコードも中古店で「盤質B」のもの。検盤して傷ナシを確認したのだが「プチプチ」音がたくさん出る。これは見ただけではわからないものだ。 古いものだからしょうがないけれど、状態の良いものは高いし、難しいところにハマってしまったなあと悩む、今日この頃である。
 追記 その後、「内袋」もオリジナルのUK盤も手に入れました。

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ザ・ビートルズ/Beatles in Mono [Analog]
2014年9月、ビートルズのモノラル・アルバムがアナログLPで発売になります。これはリマスターされたCDとはちがい、オリジナル・テープからの制作だそうです。ここに書いた60年代のモノラル盤と、まったく同じとまでは期待できませんが、今日オリジナルUK盤を手に入れるのは費用も大変ですので、興味のある方はどうぞ。
ビートルズ モノラルLP発売前のブログ記事